拾日記

雑学と教養の狭間を彷徨う

受験対策を読書に応用する -「東大読書」

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最近、現役東大生がノウハウをまとめた本をよく見かけるようになった。本書もその一つ。

本書が推奨する「地頭が良くなる5つのステップ」がこれ。

STEP1 仮説作りで「読み込む力」が劇的に上がる!
――東大生は「読み始める前」に考える
STEP2 取材読みで「論理の流れ」がクリアに見える
――東大生は「読者」ではなく「記者」になる
STEP3 整理読みで難しいことも「一言」で説明できる
――東大生は立ち止まりながら読む
STEP4 検証読みで「多面的なモノの見方」を身につける
――東大生はカバンに「2冊の本」を入れている
STEP5 議論読みで本の内容を「ずっと記憶」しておける
――東大生はアウトプットを重視する

 

東大の試験問題に触れたことのある人なら分かると思うが、東大の試験では単純な知識を問う問題は出題されない。要約や比較、推論、批判など、何らかの知的作業を求める。

ここで挙げられているステップは、東大の現代文の試験の解き方に近い。東大を受験する学生たちは、元々こういう読書をしていたというよりは、長年の受験対策を通じて染みついたメソッドを読書においても無意識に行っていると考えた方が自然だろう。

ひたすら勉強することが求められるであろう浪人中に著者がこのメソッドでじっくり読書をしていたとは思いにくいが、少なくとも受験問題にこのような手順で向き合っていたということは間違いないだろう。

 

そもそも、本を読む目的は様々だ。本書を手に取り、まさに地頭を良くするために読書をする人もいるだろうし、特定の分野の知識を体系的に得たい、純粋にストーリーや筆者の主張を追体験したい、悩んでいること・疑問に思っていることの解が欲しい、等々。

本書が紹介するステップで、ハードルがもっとも高いのは、Step 4の検証読みだろう。既に読んだ本の主張を思い出したりということはあっても、真面目にしようと思うと相応の時間と労力がかかる。そして、読む本にもそれにふさわしい質が求められる。

本書が薦める読書法は一つの型だ。当然、本書も東大読書の対象足り得るわけで、他の読書法とも比較されて然るべきだろう。個人的には、評論のようなジャンルが、この読書法に適しているように思う。