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あなたは素晴らしい -「カーテンコール!」

 

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岩田徹さんの「一万円選書」にしばしば選ばれるという「カーテンコール」(加納朋子)。

それは、とても心温まるエールだった。

 

 

経営難により閉校した女子大に、様々な温情措置にも関わらず卒業ができなかった学生たちが集められる。「人生詰んだ」と絶望する彼女たちに、理事長からある提案が。

半年間、外界から閉ざされた寮でひたすら特別補講を受ければ卒業できるというのだ。

彼女たちは、心や身体に悩みや事情を抱える「ワケあり女子」。LGBTや学生出産、過食・拒食、睡眠障害、無気力、、、

ストーリーはオムニバス形式で、ある種対極的で補完的な二人のルームメイトにスポットを当て、時に相手を鏡とし、やがて互いを認め合いながら自身と向き合い、一歩ずつ更生に向けて前進していく。

扱うテーマはやや重ためのものが多いが、軽妙なタッチでミステリーライクに話が進むので、それをあまり感じさせない。そして、理事長はじめ大人たちの献身や心に染みる言葉、 それらに後押しされ、一歩踏み出そうとする彼女たちに、毎回ジーンとくる。

 

 

「大人になった今のあなたが、当時のあなたを許してやらなきゃならないんです。もしかしたら、今のあなたのストレスの根っこも、そのあたりにあるのかもしれませんよ」

 

そして、迎えた卒業式での理事長の告示。理事長自身の苦悩が淡々と明かされる。

理事長自身もまた「当時のあなた」と向き合っていた。

 

「自分の言葉で、直接「助けて」と言える人を探して下さい。我と我が身を救うための、知恵と勇気を身につけて下さい。」

 

色々な悩みを抱えながら生きていく全ての人に温かく寄り添う、そんな素敵な本。

 

 

〔参考〕

 向日葵の花言葉「あなたは素晴らしい」